視力スクリーニング検査について
当院では6ヵ月から5歳までのお子様の弱視を早期発見する弱視スクリーニング検査を行っています。弱視とは、メガネなどで矯正しても視力が出ない状態のことで、近視、遠視、乱視、不同視、斜視、瞳孔不同などがあり、早期に治療するほど改善します。
出生直後の赤ちゃんの視力は0.02程度で、徐々に物の色や形が分かるようになり、4か月くらいで動くものを追えるようになり、4歳くらいで1.0程度になり、6歳頃までには視る機能が完成します。この発達段階の途中で目の異常のため視力が発達しない状態(弱視)を早期に発見して、4歳以下で治療を開始すれば、子供の弱視の95%が改善すると言われています。その時期を過ぎると治療成績は低下するため、3歳以前、遅くとも5歳までに発見することが重要になります。しかし、従来の3歳健診等の視力検査(絵カードや質問紙式)では家庭でも病院でも正確に実施することが難しいことが多いのが実状です。そのため、日本小児眼科学会は従来の健診時の視力検査に加えてフォトスクリーナー等を用いた屈折検査を推奨しています。
このような背景から、当院でも視力検査をより年齢の低い3歳以前(6ヵ月から可能)のお子様も客観的に短時間(数秒から)で検査ができるフォトスクリーナー(スポットビジョンスクリーナー)を導入し、2020年4月から1歳6か月健診で受診のお子様に行っています。検査の費用はかかりません。今までに当院で1歳6ヵ月健診を受けられた方や、これから5歳健診を受けられる方などで希望があれば無料で行います。また、目つきが悪い、テレビを近くで観ている、など視力の心配があれば保険診療で検査できますのでいつでも受診してください。
(上記画像はWelch AllynのHPより転用)